現在の日本の公的医療制度では、世代間の助け合いのもと、65歳以上の方々の医療費については、健康保険組合などの医療保険者が支援しています。今後は急激に高齢化が進むとともに医療費が激増し、同時にこの支援金の額も増加し続けていくと予想されています。
 健康保険組合の収入のほぼ全ては、加入する事業主と被保険者からの保険料であり、今では全国に1,400余りの健康保険組合の保険料収入に占める支援金の割合は43%程になり(平成28年度予算早期集計)、組合財政を圧迫している状況になっています(当健康保険組合の支援金の占有率は49%(平成29年度予算)。支援金の種類には下記の4種類がありますので、簡単に仕組みを説明します。

前期高齢者納付金
   65〜74歳の前期高齢者といわれる方々の医療費を賄うために、健康保険組合など医療保険者が負担する費用です。
 前期高齢者(65〜74歳)は、定年退職等で健康保険組合などの被用者保険から国民健康保険へ移行する方が多いため、国民健康保険の保険料負担が重くなります。
 そのため、各医療保険者間の偏りを調整することを目的に、前期高齢者医療制度では、どの医療保険者も同じ前期高齢者加入率(全国平均)と仮定して財政調整するしくみがとられています。
 比較的、前期高齢者加入率の低い健康保険組合は、私たちや事業主が納める保険料の中から、前期高齢者納付金として社会保険診療報酬支払基金を通して国民健康保険へ交付されます。
 
後期高齢者支援金
   75歳以上の後期高齢者といわれる方々の医療費を賄うため、健康保険組合などの医療保険者が負担する費用です。
 長寿(後期高齢者)医療制度(75歳以上または65〜74歳で都道府県後期高齢者医療広域連合より一定の障害と認められた方)の財源は、本人の医療費自己負担のほかは公費(税)、健康保険組合等の支援金、被保険者の保険料で賄われています。
 このうち公費約5割、被保険者の保険料1割で、約4割を健康保険組合等が「後期高齢者支援金」として負担します。
   
 


退職者給付拠出金
   退職者給付拠出金とは、退職者医療制度に伴い、健康保険組合などの被用者保険の加入者が定年退職し、国民健康保険の加入者となった場合、国民健康保険の保険料負担が重くなることなどから、健康保険組合OB(その被扶養者だった方を含む)分の保険給付費を、健康保険組合が国民健康保険に対して負担する拠出金です。
 なお、退職被保険者には、@65歳未満であること、A国民健康保険の被保険者であること、B厚生年金などの被用者年金の加入期間が20年以上ある老齢(退職)年金受給権者または40歳以降の年金加入期間が10年以上ある老齢(退職)年金受給権者であることなどの条件を満たしていなければなりません。
 
 
老人保健拠出金
   平成20年度からの新たな高齢者医療制度により廃止された老人保健制度では、75 歳以上の高齢者等の医療費に充てる財源を、本人の医療費自己負担、公費(税)の他に、健康保険組合などの医療保険者からの老人保健拠出金で賄われていました。
 老人保健拠出金は、老人加入割合の違いによる各保険者間の負担の不均衡を是正するため、どの保険者も老人加入割合が同じであると仮定して算定されています。